免許が切れるまでに求人を何とかしたい
彼は寒さに震えていた。職安の前に置いてある荷物を運ぶ木で出来た物の上に座っていた。帽子を目深にかぶり、オーバーの襟を立て手袋をしてマフラーで完全防備していても冷たい風は容赦なく彼の身体を包み込んだ。今日は特別冷えるな。彼は気持ちを紛らす為に図書館から借りた本を開いた。それは彼がまだ免許証を持っていたからだ。一年に一度の更新がある。しかし来年の誕生日が来たらもう免許も切れてしまう。それまでに何とかしたかったが全然求人の当てはなかった。このままでは本も読めなくなってしまうと思うとすごく悲しかった。それだけは何とかしなければ。そう思うが方法が見つからない。明日は久しぶりに銭湯に行こうと彼は決めた。大阪では410円で入れるのだ。そのお金も本来は食費に回さないといけない事は承知しているが入りたいと思ったらたまらなくなってしまった。風呂すらも普通に入れない自分が悔しかったけど今は耐えるしかなかった。現実は厳しい。`